軽くする

かつてバブルな時代の頃に、システム手帳というのが流行った。
それまでソニプラで年末にくれるダイアリーしか使ってなかったワタシも、まんまと流行に乗り、分厚いシステム手帳を持った。 


システム手帳は、ダイアリー部分のリフィルだけ入れ替えればアドレスなどの部分はそのまま毎年繰り越せるってのが当時はウリで、毎年毎年アドレスの書き写しでしくじっては
「げげげ・・・また1年、この白消しだらけの手帳を使うのか(+_+)」
と げんなりしてたワタシのような者は、こぞってシステム手帳に飛び移ったのだ。


しかし、見事に飛び移った翌年、さっそく問題は起きた。


ワタシはビデオはベータ、パソ子はMac、というヒトである。
こだわりの成果ではなく、デフォルトの回線がそっちへつながっているのだ。体のクセのようなもんである。
そして、初めてシステム手帳を選んだ際にも知らず知らずにクセが出た。たいへんレアなメーカーのを買ってしまったのだ。
ベータで見られるビデオを探したと同様、またはMacで使えるMpeg再生ソフトを探し回っているのと同様、その後数年間というもの12月の声を聞くと同時にレフィル探しに明け暮れるようになったのは、言うまでもない。




アドレスそのままでいいのは確かだけど、これじゃーぜんぜん楽じゃないじゃんよっ! 




ある年、ついにどこにもリフィルを見つけられないまま新年を迎えたワタシは、心が折れた。
システム手帳を手放して「普通の手帳」へ日和る決意をしたのである。




のだが。

つい連れてきちゃったモノがある。




システム手帳は、大容量だ。
それで、あれやこれやの書類を手帳にはさみこんで持ち歩く習慣ができちまったのだ。



だもんで、移動先の「普通の手帳」も、システム手帳並みのキャパがあるもの限定。
だって、書類、カード、自分の名刺、他人の名刺、仕事相手の連絡先一覧表、地図、家族の写真などなどなどなど・・・なんでもつっこむ四次元手帳なんだもん。


しかし、【理想にこだわれば出会いのチャンスは減る】という、意欲現実反比例の原則が、すぐにワタシの前に立ちはだかった。


女性向きの「そういうの」は、ポケット類の量や質という点は十分でも、デザインがワタシのキャラをはるかに超えた女性らしさであることがほとんどで、手を出すのにかなり勇気がいる。
逆に、デザインが好みのものは、なんのかんのとキャパが足りない。あるいは、不要な情報に割いているページが多くて現実的でない。


世の中にごまんと手帳はあるのに、なんでワタシの手帳はないのだ?!


多くの恋人募集中の女性が胸に呟くのと同じであろうセリフを思いながら、それでもまあ目の前にある現実が優先よね、と三番手や四番手の中からベストを選び、不満をもちつつ付き合うこと数年・・・
ワタシの心は、まるで、白馬に乗った王子さまを夢見るオトメのような切なさで、いっぱい。


そこへ颯爽と登場したニューフェースがあった。


「ほ○日手帳」である。



「リフィルだけ交換すればいい『普通の手帳』ができた!」
「デザインがいっぱいある!」


しかも、サイトに掲載されてる使用例のカッコいいこと、自由なこと。
これだわ、と狙いを定め、一路LOFTヘ。ぜったい革製、色は当時限定色だったグリーン、と決めて。
まさに理想通りの彼をGET。


ところが。


理想をつかんで「めでたしめでたし」と行かないのが、現実である。
またの名を、二度あることは三度。
オトメの心は、またしても折れちゃったのだ。



今回のビョーキは「彼は変わらないのに、ワタシは・・・」というヤツ。


早い話が 飽きちゃったのよねー


そして、飽きてくると、今度は相手の落ち度が気になる。
気に入らないところばかりが目につくようになってくる。





使わないページや いらない情報が多いぞ、こいつ。
ああせいこうせいと言いません、っていう その思い入れがもはや重い。
ていうか、実際、重い。バッグの中で存在感ありすぎ。



・・・・美人は三日で飽きるとか。まさに名言。




というわけで、今回は更なる方向転換。
毎日毎日のおつきあいですもの。何しろ、気にならないのが一番。


手帳っていったら、やっぱこれでしょ。ざ手帳おぶ手帳。


どこの文具屋さんでも、どこの本屋さんでも 必ず扱ってる手帳の王様。
その名も「のーりつてちょー」♪



いちお、外側はおめかし。ただしシンプル一番で。


ちなみに、一緒に写ってるバッグは、学生時代からの相棒。
なんの飾り気もへんてつもない、袋に取っ手がついてるだけのシンプルなイタリア製。
たまに浮気するけど やっぱりここに戻ってくるよ。アンタが一番。オー・ソレ・ミオ!



丈夫で長持ち。飽きのこないデザイン。
三日で飽きるより 三日で慣れる方が、一緒に暮らす相手にはいいのかも。